お役立ちコラム
2023/04/10
光ファイバーは車のネットワークに利用されている?系統と規格を解説
車に光ファイバーを利用して、車室照明の装飾をオシャレにカスタムしている方も多いでしょう。
照明に利用している光ファイバーは、車の電子制御ネットワークにも活用されます。
この記事では、車を安全に走行させたり、快適な運転空間を整えたりするために、光ファイバーがどのように利用されているのか解説します。
車の運転に欠かせない光ファイバーの豆知識を身につけて、急な信号異常によるトラブルに備えてみませんか。
目次
光ファイバーとは?車に利用するメリットを解説
光ファイバーは、石英ガラスや高性能プラスチックなどでつくられた光を伝える伝送路で、光学繊維とも呼ばれます。
電磁ノイズの影響を受けにくく、軽量で高速通信ができるメリットから車のネットワークに活用されます。
車の安全性・利便性・快適性のユーザーニーズが高まり、環境問題の配慮から燃費向上、排出ガス削減のため、従来よりも高度な電子制御が必要です。
このようなニーズから、電子ユニット数や配線が増えているため、信号の多重通信が可能な光ファイバーが車のネットワークシステムにも利用されています。
光ファイバーは車の3種類の系統に利用される
光ファイバーを活用した車載ネットワークは大きく分けて、以下3種類です。
1.ボディー|ライトなど
2.制御|エンジンなど
3.情報|オーディオなど
各ネットワーク系統によって、利用される光ファイバーは異なります。
それぞれの系統にあった通信速度の光ファイバーが採用され、スイッチ1つで車の動作ができるように設計されています。
①ボディー|ライトなど
ボディー系ネットワークには、ドア・インパネ・ライトなどの制御が含まれ、CANやLINと呼ばれる光ファイバーを利用します。
CANやLINを通してシステムに指示を送り、1つの操作でドアロックの解錠・施錠やライトの灯火を行います。
②制御|エンジンなど
制御系ネットワークでは、車の基本操作・エンジン・ブレーキ・シャーシなどの制御が含まれ、CANやFlexRayと呼ばれる光ファイバーが使われます。
走る・曲がる・止まるの動作もCANやFlexRayを通して信号を送り制御を行っています。
③情報|オーディオなど
情報系ネットワークは、オーディオ・ビジュアル機器・ナビゲーションなどの制御が含まれ、光ファイバーはMOSTが利用されます。
情報系ネットワークは、ほかのネットワークに比べると安全性や信頼性を必要とされていません。
車に搭載されている光ファイバー|主な4つの通信規格
車に活用されている光ファイバーは、以下4種類の規格に大きく分けられます。
1.CAN
2.LIN
3.FlexTay
4.MOST
それぞれの光ファイバーの特徴を解説します。
①CAN
CANは車のパワートレイン、シャーシ系制御、ボディ系制御、故障診断系に利用されている光ファイバーの規格です。
CANは通信速度によってクラス分けされ、用途も以下表の通りに変わります。
クラス | 通信速度 | 用途 |
クラスA | ~10kbps | ライト類・パワーウィンドウ・ドアロックなど |
クラスB | 10~125kbps | ステータス情報系(メーター・オートエアコンなど) |
クラスC | 125kbps~1Mbps | リアルタイム制御系(エンジン・ブレーキなど) |
外部から受ける電磁ノイズ耐性が強く、影響を受けにくいため、多くの自動車でCANを採用しています。
②LIN
CANのサブネットワークに位置付けされる光ファイバーのLINは、CANより低コストで通信ができる規格です。
LINの最大通信速度は20kbpsで、ステアリング周辺・ライト制御・ドアミラー制御・シートまわりなどの信頼性を必要としない部分に採用してます。
③FlexRay
FlexRayは、シャーシ制御に利用されている規格です。
CANと比較してコストが高いため、欧州高級車の一部に利用されています。
最大通信速度は10Mbpsで、CANよりも通信速度が高いのが特徴です。
④MOST
MOSTは、カーナビやオーディオ機器をつなぐために使われる光ファイバーの規格です。
BMWやアウディー、ポルシェなどの外国産自動車メーカーのほか、部品メーカー70社が加盟する団体「MOST Cooperation」が作成しています。
MOSTには25・50・150と3つの規格があり、最大通信速度はMOST150の150Mbpsです。
光ファイバー通信ができないと車はどうなる?
何らかの原因で車のネットワークエラーが起きた場合は、内部故障と判断されます。
ディーラーや整備工場に車を持ち込み、異常部分を調査して修理・交換する必要があるでしょう。
例えば、オーディオ再生ができない、カーナビが映らない場合は、MOST通信異常が検知されます。
専用のシステムを利用してプログラミングが必要な修理の場合もあるので、困ったときは専門店へ相談しましょう。
まとめ
車の安全走行や快適に運転できる環境を整えるための車載ネットワークには光ファイバーが採用され、各種系統を制御する役割があります。
カーナビが映らない、オーディオなどのメディア再生ができないなど情報系のトラブルはMOST通信異常が考えられるでしょう。
カーナビやオーディオの取り付けはセルフでもできます。
しかし、車の知識がなければ、ほか系統の信号を遮断してしまう恐れがあります。
大切な資産である車の各種用品取り付けは当社にお任せください。
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